胃がんリスク検診(ABC検診)
胃がん発生の原因となるピロリ菌感染の有無と、胃粘膜の萎縮度を血液検査で調べることにより、胃がんになりやすいかどうか、胃がんの危険度を判定する検診です。ABCの3群に分類し、胃の状態に応じた胃内視鏡検査受診間隔を設定することにより、効率的な検診を行うことができます。
「胃がんリスク検診」はあくまでも胃粘膜の萎縮の有無、ピロリ菌感染の有無=胃がんのリスクが高いかどうかを調べる検査であり、胃がんそのものを見つける検査ではないため、胃内視鏡検査受診年度には必ず受診しましょう。
ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査とは
胃がヘリコバクター・ピロリ菌に感染していないかを調べる検査です。
ヘリコバクター・ピロリ菌は胃酸の分泌が少なく胃粘膜の免疫が不十分な幼少期(4~5歳頃まで)に感染すると考えられています。子供の頃に感染しなかった場合、大人になってから感染することは稀だといわれています。
ペプシノゲン検査とは
食べ物の消化に関与する『ペプシノゲン』という物質の血中濃度を測定することで胃粘膜の萎縮(老化)の状態を客観的に調べる検査です。
胃がんリスク分類(ABC分類)
ABC分類 | ヘリコバクター・ピロリ抗体価検査 | ||
---|---|---|---|
陰性(-) | 陽性(+) | ||
ペプシノゲン検査 | 陰性(-) | A群 | B群 |
陽性(+) | D群 | C群 |
A群 | 健康的な胃粘膜です。 胃がん発症リスクは極めて低いです。 念のため、5年に1回は内視鏡検査を受けましょう。 |
---|---|
B群 | 少し弱った胃粘膜です。 少数ながら胃がん発症リスクがあります。一度、内視鏡検査を受けましょう。 また、異常が見つからなくても2~3年に1回は内視鏡検査を受けましょう。
|
C群 | 弱った胃粘膜です。 胃がん発症リスクが高いタイプです。一度、内視鏡検査を受けましょう。 また、異常が見つからなくても、1年に1回は内視鏡検査を受けましょう。
|
D群 | かなり弱った胃粘膜です。 胃がん発症リスクが極めて高いタイプです。必ず、内視鏡検査を受けましょう。 また、異常が見つからなくても、1年に1回、内視鏡検査を受けましょう。
|
E群 | ABC分類対象外。 ヘリコバクター・ピロリ菌除菌後の方は、E群 (除菌群)として定期的な内視鏡検査を受けましょう。 |
- ※胃がんリスク検査において以下に該当される場合は、正しい判定ができない可能性がありますのでご注意ください。
- 食道、胃、十二指腸疾患で治療中の場合
- 胃薬や抗生剤を1ヵ月以内に服用していた方
- 胃切除をされた方
- 腎不全の方(目安として、クレアチニン3mg/dl以上)
- ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療を受けた方